- ローソク足の分析根拠がより高まる
- 相場全体の圧力や方向性を理解できる
こんにちは、松井です。
バイナリーオプションで、ローソク足という言葉を知っていてもチャート分析にうまく使えていない人が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ローソク足の基本的な見方から、その本質を読み解くための実践的な方法、そして「ヒゲ」に着目した相場分析の方法について解説します。
ローソク足は現在の大衆心理を理解するための重要なサインになり、勝てるトレードを行うためには絶対に覚えるべきです。
知れば知るほど分析の根拠が高まりトレードする際の取引の幅が広がるので稼ぐためには必要です。
初心者にとってもローソク足はぜひとも知識として覚えておくのをおすすめします。
ヒゲの役割やどのように分析に利用すればいいのかを具体的に解説していますのでぜひご覧くだい。
ローソク足とは?見方を理解して本質を読み解く
ローソク足の見方
まず始めに基本的なローソク足の見方・読み方について解説します。
ローソク足には4つの価格情報が含まれています。
ポイント
- 『始値』:最初に取引された価格
- 『終値』:最後に取引された価格
- 『高値』:その時間の中で一番高い価格
- 『安値』:その時間の中で一番安い価格
そして上記の図の赤色のローソク足は、
特定の時間において始値よりも終値が上昇した状態になっています。
このような時のローソク足を『陽線』と呼んでいます。
またその逆に、青色のローソク足は
特定の時間において始値の価格より下落した状態で終値をつけた状態になっています。
このようなローソク足を『陰線』と呼んでいます。
ローソク足の名称
下の図は各ローソク足の名称です。
ポイント
- 『実体』:ローソク足の太いバーの部分を“実体”といいます。
実体は、始値と終値の価格差をあらわしています。
- 『ヒゲ』:ヒゲを一言で表すと、高値と実体との価格差、安値と実体との価格差です。前者を上ヒゲ、後者を下ヒゲといいます。
ローソク足ができるまでの過程
上記のローソク足を例に説明すると、
1つのローソク足は、始値→安値→高値→終値というように分解して見ることにより価格の推移をイメージすることができます。
大切なことはローソク足を見た時にこのような
価格推移のイメージを想い描き、進行形の大衆心理を理解する事にあります。
例えば1時間足であればそのローソク足は5分足12本分、1分足であれば60本分によって形成されているということを頭の中でイメージしましょう。
ローソク足の本質とは
その本質的部分をお伝えします。
実体が示すサイン:相場の勢いを象徴し、買い・売りの最終的なエネルギー
ヒゲが示すサイン:買い勢力と売り勢力の争いの激しさを象徴
つまり実体は買い勢力・売り勢力の優劣を示しています。
下ヒゲが長かった時は売り勢力と買い勢力の争いが激しかったと読み取れ、買い勢力によって押し戻された。
実体が大きい場合、その方向への力強さを示し、逆に小さい実体は勢いが無いため取引している人たちが弱気になっているとも言えます。
またヒゲは、取引している人たちの攻防の足跡だとも言え、長いヒゲはトレンドの反転を予兆し、ヒゲの反対方向に勢いが出てきたことを示していると考えてください。
ローソク足の種類
今回は基本的な以下の4つのローソク足を紹介します。
以下4つのローソク足の本質を理解していれば、多少ヒゲの長さや実体の大きさが変わったとしても応用ができますので、
まずはこの4つの特徴をしっかりと理解してください。
【大陽線・大陰線】
その名の通り、大きな陽線(陰線)をつけたものです。上記の図では上ヒゲを書いていますがし、上ヒゲが無かったり下ヒゲがあったとしても大陽線(大陰線)として捉えることができます。
非常に強い買い(または売り)を示唆しています。
【小陽線・小陰線】
相場のエネルギーが少なく、相場の売り買いをしている人たちの気持ちが迷っている状態。
【上ヒゲ陽線・上ヒゲ陰線】
ヒゲというのは売りと買いの勢力の攻防の足跡を表していますので、上ヒゲが長い場合は買い勢力が伸びたにもかかわらず売りの勢力が押し返した事を示しています。
【下ヒゲ陽線・下ヒゲ陰線】
上ヒゲ陽線・上ヒゲ陰線の逆で、売り勢力が伸びたにもかかわらず買いの勢力が押し返した事を示しています。
そして、この記事では大陽線と大陰線を例にその見方を詳しく解説していきたいと思います。
大陽線・大陰線
勢いを示す大陽線と大陰線の見方
大陽線と大陰線は一定の方向に勢いを持った特徴的なローソク足です。
上記図からわかるように、陽線であれば、始値からヒゲをつけず勢いを持って高値をつけています。(陰線はその逆)
このことからわかるように、大陽線、大陰線はその一定の方向に勢いが伸びていることから
次足も同じ方向に向かう傾向が強いとされています。
例えば下記の図のようなレンジ相場で
大陰線によってレンジをブレイクした時は下降トレンドの勢いを示すシグナルとして捉える事ができます。
逆にレンジ相場の中で価格が上下に動いていく中で、大陽線が現れレンジをブレイクした時は上昇トレンドのシグナル示唆とされます。
このように、大陽線、大陰線がレンジブレイクとして現れた場合は勢いを示すものとなります。
ただ、大陽線、大陰線が出現するシチュエーションによっては、
全く逆の捉え方、つまり反転のサインになることがあります。
転換点となる大陽線と大陰線の見方
ではどういったシチュエーションで大陽線・大陰線が出現したら「転換点」として捉えることができるのかというと
仮に価格が上昇に向かっていく中で高値圏で大陽線をつけた場合は、
下記図のようにこの後下降に転じるとケースがあります。
しかし最初の説明では、「大陽線・大陰線は価格の勢いを表す」とお伝えしたので、
と疑問を持つかもしれません。
この点について、実際のチャートを例に詳しく解説します。
実際のチャートで解説
なぜ高値圏で大陽線が転換のシグナルとなるのかを解説していきます。
以下のチャートでは、
下降トレンドの中で大陰線が出現し上昇に転換、
その後価格が上昇し大陽線の出現で下降に転換しているのが分かると思います。
取引をしている人達は「買いポジション」と「売りポジション」を持って取引をしています。
- 買いポジションを持つ人の心理:安く買って高く売りたい
- 売りポジションを持つ人の心理:高く売って安く買い戻したい
上記の考えを前提にすると、
下記のチャートの赤い四角内で売りポジションを持った人たちは、
この後価格が下がると予想して売りポジションを持ったことになります。
ただ予想に反して価格は上昇していきます。
赤四角内で売りポジションを持った人たちはどこかに「※損切りのライン」を設定しているということです。
(※損切りライン:ボジションを持った価格から含み損が発生した際に、損を大きくしないためあらかじめ決済価格を決めているラインのこと)
以下のチャート場合、直近高値で注目されていたレジスタンスラインだったので、損切りラインとして考る人が多いと想定できます。
実際に価格がライン付近まで上がり、そのラインに近づいたら売りポジションを持った人達が我慢しきれず損切り(売りの反対の買い決済をする)を入れます。
すると、上記図のような注目されているレジスタンスライン付近で大きな大陽線を一旦つけます。
このようなことをまとめると…
買いの勢力が強い中で長い上ヒゲをつけていることから、一定数の売りの圧力が確認できる
↓
その中で売りポジションを持った人たちが一斉に決済の買い注文を入れたことで大陽線をつける
↓
元々新規の買い勢力はレジスタンスライン手前で力を使い果たしてるため、決済の買いが最後入った後に、新規の売りの勢力が強くなり下降トレンドに入った
と推測できます。
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ここまで解説したローソク足の見方についてはこちらの動画で解説していますので、より理解を深めるために是非ご覧になってください。
ローソクの足のヒゲとは?
そしてここからはローソク足におけるヒゲについて解説します。
それでは、まずはそもそもローソク足の「ヒゲ」とは何なのかについて簡単に解説します。
ヒゲとはローソク足において高値と実体、もしくは安値と実体の価格差を表したものです。
そして、この時の価格の推移をイメージしたのが下の図です。
そして下ヒゲと上ヒゲはそれぞれ以下の推移によって形成されます。
下ヒゲ:一度つけた安値が買いの勢力により押し戻された
上ヒゲ:一度つけた高値が売りの勢力により押し戻された
つまり、ヒゲは
「売り勢力と買い勢力の攻防の後」
を表したものとなります。
ヒゲがつく代表的なローソク足の形状を以下に載せておきます。
また、ヒゲのつくローソク足における反転シグナルの見極め方について下記の記事で詳しく解説していますのでぜひこちらも参考にご覧下さい。
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ヒゲ分析の3つの視点
ヒゲの分析を行う上で僕自身、以下の3つの視点が非常に重要となってくると考えています。
ポイント
ローソク足単体:ローソク足を単体としての捉え方
ローソク足複数:どのような場面、値動きの過程で現れたか
全体:チャート全体で見た時の捉え方
では、それぞれについて詳しく解説していきます。
ローソク足単体のヒゲ分析
まずはローソク足単体で見た時のヒゲの分析方法について解説します。
下記の画像は上ヒゲ陰線の価格推移のイメージを表した図です。
上ヒゲ陰線の価格推移のイメージ
① 価格が下落(陰線)
② 買いの圧力が強くなり上昇(下ヒゲ陽線)
③ 買いポジションの利確+新規の売り注文により下落
この時に注目してほしいのがヒゲの長さです。
②では買いの圧力が強く大きく上昇したにもかかわらず、③でその圧力を押し戻すほどの売り注文が入ったと捉えることができます。
ヒゲがないパターン
次にヒゲがないローソク足のパターンについて解説します。
下記の画像のように下ヒゲをつけないまま連続で陽線を形成しているパターンを見てみましょう。
① 最初の3本のローソク足は上ヒゲをつけているが下ヒゲをつけていません。
→ローソク足が形成されてから一度も下落しておらず(始値を一度も下回っていない)、上昇の力が強いことが読み取れます。
そして、②で実体が小さくなり上下にヒゲをつけたことにより、上昇の勢いが弱くなり、相場に迷いが生じてきたサインとして捉えることができます。
また、下記の画像のような上下に長いヒゲをつけたローソク足は、
売り買いの激しい攻防が起きており、相場の方向が定まっていない(荒れている)事を示しています。
特に以下の場面ではこのようなローソク足が頻発しやすいです。
長いヒゲが発生しやすい場面
- ポンド絡みの通貨ペア
- 経済指標や要人発言のタイミング
ローソク足複数のヒゲ分析
上記でローソク足単体でのヒゲの分析方法について解説しましたが、
各ローソク足がどのような場面で出現するかによって捉え方が変わってきます。
では実際の以下のチャートを使って具体的に解説します。
上記チャートの四角で囲んだ部分を拡大したのが下記の画像です。
大きな上ヒゲをつけたにかかわらず、その後価格は上昇しています。
なぜこのような事が起きるかというと、そもそも価格は上下に動きながら大きな流れの方向に進むため、この上ヒゲは調整局面における「押し」であると捉えることができるからです。
ですので、このような調整局面ではない場面でのヒゲに着目する事が重要となってきます。
では具体的にどういう局面で有効に機能するかというと、
「上位のローソク足で引くことができるレジスタンスラインやサポートラインが存在する場面」
です。
先程のチャートの場合、天井圏にレジスタンスライン、底値圏にサポートラインを引くことができます。
そして底値圏の四角①を拡大したのが下記の図です。
サポートライン付近で大きな下ヒゲをつけた陽線→陰線が出現(下位足ではおそらくダブルボトムを形成)し、その後上昇しています。
そして底値圏の四角②を拡大したのが下記の図です。
レジスタンスライン付近で上ヒゲをつけた陽線の出現後、価格が下落しています。
チャート全体を見た分析
これはチャート全体の圧力や注意すべき価格帯を把握して分析する方法です。
では実際のチャートを使って解説していきます。
① 上ヒゲをつけることなく3本連続で大陰線を形成している場面、強い売りの勢力が読み取れ、有効な抵抗線が無ければそのまま価格が下落するのを示唆しています。
② 強いサポートラインが引け大きな下ヒゲをつけた場面、このような価格帯は強い抵抗帯として働き、再び価格がこの抵抗体に近づくと反発する傾向にあります。
そして下記は上記画像の四角③を拡大した画像です。
③実体が小さくなり、上下にヒゲをつけているため、相場がどちらに進むのか迷っているのが読み取れます。
そして、このチャートを過去に遡って表示したのが下記のチャートです。
四角③が上記で説明したもみ合った部分です。
この価格帯を過去に遡ると同様にもみ合っているのがわかると思います。このようにもみ合った価格帯に再び近づいた時は③のようにもみ合うか、①や④のように一気にブレイクする可能性があります。
また天井圏におけるレジスタンスラインについても解説します。
下記画像は上記チャートの四角の部分を拡大したものです。
レジスタンスライン付近で上ヒゲをつけて何度も反発しています。
そして、さらにこのチャートを先に進んだ場面が下記の画像です。
先程のレジスタンスラインをブレイクしたポイントで上下に大きくヒゲをつけている事から、この価格帯が抵抗帯となっているのが読み取れます。
このようにヒゲが現れる価格帯は、チャート分析において重要な指標として働きますので相場分析の際に活用しましょう。
まとめ
今回はローソク足の基本的な見方に加え、大陽線・大陰線、そして「ヒゲ」に着目した相場分析の方法について詳しく解説しました。
大陽線・大陰線の出現は価格の勢いが強いことを示していますが、どのようなポジションで形成されるかによって捉え方が大きく違ってきます。
レンジ相場で形成されれば、そのままの勢いで相場が進みやすく、高値圏や底値圏で形成されれば相場の転換のシグナルとなります。
そしてヒゲを分析する際にはは以下の3つの視点を持つことが重要です。
ポイント
ローソク足単体:ローソク足を単体としての捉え方
ローソク足複数:どのような場面、値動きの過程で現れたか
全体:チャート全体で見た時の捉え方
これらを意識して取引することで、ローソク足分析の根拠が高まり、より精度の高い取引が行うことができますのでバイナリーの攻略としてぜひ活用してみてください。