- ライン付近で投資家達がどのような判断を行っているかがわかる
- ライン付近での騙しのメカニズムが理解できる
こんにちは、松井です。
今回の記事では
「騙しのメカニズム」
について詳しく解説していきます。
一言に「騙し」と言っても、機関投資家による故意的な騙しから弱者を絡め取るような強者による騙しなど様々な種類があります。
この記事を読んでいるあなたも、ラインタッチでの反発を狙ったけど、予想に反してラインをブレイクしてしまい、判定時刻を過ぎてから反発したなんて経験があるのではないでしょうか?
そこで今回はそもそも騙しがどういったメカニズムで発生するのか具体例を使って解説していますので本質を理解して取引を行いたい方は是非ご覧ください。
ライン付近で騙しが起こるメカニズム
今回解説するのは以下の図で示したようにレジスタンスライン付近でブレイクしたと見せかけてその後戻ってくるような騙しが起こるメカニズムについて解説します。
そもそも「騙し」とは
そもそも「騙し」とは、「売買のサインが出たものの、予想とは反対の動きを示すこと」を指します。
例えば、インジケーターなどで反発のシグナルが出ているにもかかわらず、反発せずにそのまま価格が伸び続けるといったような状態です。
今回は、レジスタンスラインで価格が反発せずブレイクしたり、ブレイクしたと見せかけて価格が戻ってくる場面について、そのメカニズムについて解説します。
騙しを理解する前に理解しておいてほしい事
まず前提として認識してほしいのが、チャートが形成される背景には「買いのポジションを持つ人がいて、その人達の決済による売り注文による下落が起こっているということ」です。
どういう事かと言うと、まずサポートライン付近のゾーンで買いポジションを持つ人がいます。
そしてその人達はもちろん今後価格が上昇すると見越してポジションを持つので、わかりやすいレジスタンスライン付近で決済の売り注文を入れます。
その結果価格が下落し、さらに新規の売り注文により下落が加速します。
まずは今回の騙しを理解する前にこの前提となるメカニズムを理解しておいてください。
そしてもう1つ前提として理解しておいてほしいのが、ラインの影響力についてです。
つまり該当のラインがその相場でどれくらい重視されているのか?という事です。
一言に「ライン」と言っても、それぞれラインが持つ相場への影響力は異なります。
仮に2本のラインが引けたとして、上のラインのほうが相場への影響が高かった場合、上のラインの方が圧力が強くなります。
なぜライン付近でだましが起こるのか?
これらの前提を踏まえて、騙しについて詳しく解説していきます。
相場分析を行った結果、影響力が強い価格にラインを引いたにもかかわらず、そのラインで反発せずにブレイクした時にどのような事が起こるかというと、
① レンジ相場からブレイクしたと判断して新たに買い注文を入れる人(Bの赤矢印)が出てくることによってさらに上昇。
↓
② しかし、サポートライン付近で買いポジションを持っていた人達(Aの赤矢印)は、このような影響力が強いレジスタンスライン付近で決済の売り注文(Aの青矢印)を入れる(上記で説明)。
そうすると上昇した価格は一旦下がってきます。
この時に少し視点を変えてみてほしいのですが、仮にこのチャートのローソク足が15分足だった場合、1時間足に切り替えてチャートを見た時ローソク足の形は「トンカチ」と呼ばれる形状をしています(タイミングによってはトンカチとならない場合もあります)。
一般的にFXのトレーダー達は1時間足や4時間足を注視して取引を行っているので、このようなローソク足の形を見ると、
「ここからさらに下がってくる」
と判断します。
さらに新規の売り注文(C)が入り再びライン付近まで下がってくるとBの買い注文を入れた人達が
「価格が上昇すると予想したのは間違いだった」
と判断して損切りの売り注文を入れだします(このチャート上でいうとレジスタンスラインのすぐ下辺りに損切り注文が入りやすいです)。
そしてこの損切り注文が入ることにより下落が加速し、再びボックス内(レンジ内)に戻ってきます。
この値動きを騙しだと認識する人もいれば、上位足で見たらあくまでも大きな抵抗線となるゾーン、つまり転換点を示すローソク足が出現しただけと捉えることもできるわけです。
このように同じ相場であっても見方によって全く別の判断となるという事を覚えておいてください。
ラインによる損切りの分散
そしてもう1つ重要なポイントとして、ラインがわかりやすい(意識されやすい)ほど、損切りが加速する傾向があるという事です。
今回の例ではレジスタンスラインを1本引いて、その下に損切りのラインを設定して解説しましたが、相場によっては損切りのラインは複数本引ける場合も往々にしてあります(下記の図の青色の点線)。
損切りラインが分散されると、価格が急に下落(または上昇)するというよりは一時的に反発したり、もみ合いになることがあります。
そして、実際に下落してレンジ内に戻ってきたっ場合、騙しと判断する人もいれば、騙しでも何でもなくレンジ内における想定内の値動きと捉える人もいます。
ポイントとなるのは
「誰が見てもわかりやすいラインには損切り注文が重なりやすい」
ということです。
そのように損切りが重なる部分だと
「この価格まで戻ってきたら下落が加速する」
といったようにシナリオを描く事ができ、騙しのメカニズムを理解していれば不要な負けを防ぐことができるので自ずと勝率は高まるはずです。
まとめ
今回の記事ではライン付近での騙しのメカニズムについて具体例を交えて解説しました。
ライン付近での騙しのメカニズムを理解する上でポイントとなるのが以下の2つです。
ポイント
- ライン自体の影響力(どれくらい意識されているか?)
- 上位足を見た時にどういった価格形成をしているか(相場の方向性)
これらのポイントを見定める事によって一定数の騙しを避けることができませすので、ぜひ普段の取引に取り入れてみてください。
作成した動画を友だち、家族、世界中の人たちと共有…